ISO 1402準拠 低炭素ラベルの表示例

低炭素ラベル表示例

住友大阪セメント株式会社
建材事業部

低炭素セメント関連製品の自主基準

序文

住友大阪セメント株式会社建材事業部は、地球温暖化の抑制に寄与するため、セメント関連製品の製造段階でのCO2排出を削減する配合技術を開発した。従来、高炉スラグ微粉末(BF)・石炭フライアッシュ(FA)・シリカフューム(SF)等の副産物を製品原料の一部に使用することにより、ライフサイクルにおける製造段階の地球温暖化ガス(特にCO2)排出量を削減しようとする削減技術に対し、より卓越した削減技術を導入して開発されたものである。 前記副産物の使用はマテリアルリサイクルとして大変意義があるが、人為的に定めたライフサイクルアセスメントのアロケーションの方法によって製造時のCO2排出量が少ないとされている状況である。しかし実際にはこれら製造プロセスから多量のCO2が排出されることは紛れもない事実であり、さらに最新のアロケーション(排出量配分の考え方)理論では、今までは主プロダクトが全排出量を負担するため計算ルール上は排出量をほぼゼロとすることができたが、今後はそうなり得ない可能性も示唆されている1)。 このような背景から、低炭素セメント関連製品と名づける製品では、“真の意味での地球温暖化ガス削減”、即ち前記副産物の利用のみに頼らず、バイオマスフライアッシュ(BA)、火山灰等の天然シリカ、天然軽量骨材,人工物であってもその製造時のCO2排出量が少ないセメント,セラミクス粉末など、本質的に製造時のCO2排出量を削減できることを立証できる原材料群を低炭素要素材として用い、他の材料と巧みに組み合わせることで製品に要求される機能を維持しながら、製造段階または使用段階でのCO2排出量を削減することを目的としたものである。

1)参考文献:C. Chen et al. “LCA allocation procedure used as an incitative method for waste recycling: An application to mineral additions in concrete”, Resources, Conservation and Recycling 54 (2010) 1231–1240

1.目的

  この低炭素セメント関連製品の自主基準(以下、本基準と呼ぶ)は、住友大阪セメント株式会社建材事業部が取り扱うセメント関連製品について、製造段階におけるCO2排出量が従来製品と比較して一定量削減されていることを訴求するために必要な基準を定めることを目的とする。

2.適用範囲

 本基準は、無収縮モルタル・注入モルタル・断面修復材・左官材など住友大阪セメント株式会社建材事業部および関連会社(委託製造会社を含む)が取り扱う製品に適用する。

3.製品の基準

 住友大阪セメント株式会社建材事業部では、下記の要求事項をすべて満たすものを低炭素セメント関連製品と呼ぶ。

3-1.環境要求事項

1)プレミックス(既調合)モルタル/コンクリート製品,乃至は下記4)に記載の低炭素要素材を活用した製品(以下、製品と呼ぶ)において、製品の製造段階または使用段階におけるCO2排出量が削減施策を施さなかった製品機能が同等の自社従来製品に対し、6%以上削減されていること。ただし、顧客からの特別の要請がない限り、比較される従来製品と本製品の製品機能が同等であること。

2)製品と規定量の水が混練された時点における製品容積あたりのCO2排出量が、削減施策をとらなかった従来製品に対して6%以上削減されていること。ただし、顧客からの特別の要請がない限り、比較される従来製品と本製品では製品機能が同等でなければならない。

3)顧客との合意に基づく設計仕様により決定されたCO2削減率を達成する手段として、製品に配合される原料のうち製造時のCO2排出量が相対的に大きい原料の一部を削減もしくは置換するために、次項で定義される低炭素要素材と呼ぶ当社独自の技術を用いて、総合的に製造時のCO2排出量を削減するような配合設計手法が用いられていること。

4)低炭素要素材は、前項のとおり、製品の製造時のCO2排出量を総合的に削減するための中心的素材であり、下記の5群からなる。顧客との合意に基づく設計仕様により決定されたCO2削減率を達成できるよう、この低炭素要素材が製品に対して所定通りに配合されていること。

① 天然鉱物系: 火山灰や珪酸白土に代表される天然の(潜在)水硬性鉱物粉末
② バイオマス系: 森林間伐材や籾殻等の植物に由来する材料を燃焼させた残渣灰
③ 軽量鉱物系: 内部に空隙を有する鉱物
④ 副産物系: 産業副産物乃至は廃棄物の再利用起源であって、CO2排出量を低減させる目的を達成できる量が配合できるもの。
⑤ 人工鉱物系:人工的に製造された(潜在)水硬性を持つ物質,乃至は機能上CO2排出量低減に寄与する鉱物で、これを利用する製品の製造段階あるいは使用段階におけるCO2排出量を低減させる目的を達成できる量が配合できるもの。

5) 従来製品と本製品の製造時のCO2排出量が、ライフサイクルアセスメントの国際標準規格ISO14040:2006およびISO14044:2006準拠の計算方法によって算定され、その結果に基づいて削減率が算定されていること。

6)製品の製造プロセスにおける環境負荷が、本製品と対応する自社従来製品に比べて同等あるいはそれ以下であること。

3-2.品質および性能要求事項

7)製品を製造する企業が、製品の設計仕様書どおりの製品を製造し、顧客に納入することを確実にするために、十分な機能を有する品質管理システムを構築・運用しており、納入製品のトレーサビリティーが確保されていること。

8)品質規格を満足することを示す証明書(試験成績書)が発行されていること。
a)公的規格が存在する場合:該当する品質規格を満足していること。
b)公的規格が存在しない場合:顧客と取り決めた品質規格を満足していること。

9)製品の使用マニュアルもしくは使用方法が記載された適切な文書が整備されていること。

10)製品安全に関する文書(MSDS=化学物質安全データシート)が整備されていること。

3-3.その他の要求事項

11)土壌汚染対策法施行規則(平成14年、環境省令第29号)別表第2に挙げられた特定有害物質のうちカドミウム、鉛、六価クロム、ヒ素、水銀、セレンに関する基準に適合すること。


別表2の基準値
カドミウム:0.01 mg/L以下鉛: 0.01 mg/L以下
六価クロム: 0.05 mg/L以下ヒ素: 0.01 mg/L以下
水銀: 0.0005 mg/L以下セレン: 0.01 mg/L以下

12)低炭素セメント関連製品にはアスベストを含有しないこと。使用原料(セメント、低炭素要素材、骨材、化学混和剤)について、不使用が証明されている若しくは含有しない根拠があることが確認されていること。その確認ができない場合は、アスベストが 0.1 %を超えて含有しないことをJIS A1481:2008「建材製品中のアスベスト含有率測定方法」または同等以上の検出能力をもつ方法に準拠して証明されていること。


以上